沖永良部島を訪れて

2018年7月1日沖永良部島、西郷南洲記念館敷地内にある牢獄前でミニコンサートを開催しました。

西郷隆盛は島津久光公の怒りにふれ薩摩藩の重罪人として沖永良部島に流刑、この地で牢居中に「敬天愛人」の思想を生んだといわれており記念館が建てられている。記念館前には当時の牢獄を再現した牢があり痩せこけてはいるが凛とたたずむ西郷隆盛の像を見ることができる。(沖永良部島観光協会HPより)

この「敬天愛人」思想の元となったのが、牢獄中に読んだ漢詩「獄中感有り」と言われています。拙作「海の向こう」は、この「獄中感有り」に曲を付けたものです。

「西郷さんが沖永良部島入牢中に作った漢詩を、その場所で演奏したい」その思い出このコンサートを開催することになりました。

実際に足を運び、見たり、聞いたり、肌で感じることができたことは、私にとって貴重な体験でした。

西郷さんは、沖永良部島での生活が、その後の人生を大きく変えたと言われています。それは、島の人の心の温かさである、ということが行ってみてよく理解できました。

飲食店のご夫婦が、わざわざ私にプレゼントするための果物を山に取りに行ってくれたり、ホテルの食堂で偶然出会った方にご実家に招いていただいたり、コンサートで出会った方に島の観光案内をしていただいたり・・・。

ミニコンサートも、どちらかというと西郷さんへの報告、奉納という意味合いが強かったですので、あまり告知をしておりませんでした。それにもかかわらず、出会った方々が家族や友人にお声掛けしてくださり、当日は30名以上の方がコンサートにいらしてくださいました。

さらに、ホテルをチェックアウトするときはフロントにたくさんのプレゼントが届けられており、私のスーツケースはお土産でいっぱいになりました。

訪れる前はゆかりもない土地でしたが、帰るころには知り合いも増え、ふるさとのような気持ちになりました。

沖永良部島の人々のもてなす心、与える心。そして人懐っこさ。きっと西郷さんも島の人のまっすぐな暖かさに触れ、心が癒され、その後の人生に大きな影響を及ぼしたのではないのかな、今ではそのように思っています。

逆境の中でも諦めず、どんな状況でもその時できることをする。そういった西郷さんの姿が、沖永良部で見られたような気がします。

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