イタリア演奏、言霊思想

イタリアでの演奏に向けてプログラムを考えています。イタリアでは日本語はなじみのない言葉かもしれませんが、プログラムの中にこの曲を入れようかと考えています。

言霊思想

「言霊」とは言語自体に宿る霊力で、「万葉集」にも

神代より 言ひ伝(つ)て来らく そらみつ 大和の国は 皇神(すめかみ)の厳(いつく)しき国 言霊の幸はふ国と 語り継ぎ 言ひつがひけり(以下略)(巻五・八九四)

として読まれている。良いことを口に出せばそれが実現するので、予祝となり、悪いことを口に出してもそれが実現して呪詛となるから、不吉なことは口に出してはならないというものである。

月本雅幸著「日本語概説」より抜粋

そしてその風習は現在でも残っています。例えば、 結婚式などの公の場では使ってはいけない言葉があったり、 受験生に対して言ってはいけない言葉があったりします。

万葉集が読まれたのが 7世紀後半から8世紀後半ですので、今から1200年以上昔の話です。 それでもなお、現在残っているこの言霊信仰。 1200年以上残るということは、現代の私たちが気づいていない、それなりの理由があるのかもしれません。

イタリアでは、ただ曲を演奏するのではなく、この言霊のような、日本の風習や考え方についても、音楽と一緒に伝えていけたらいいのではないかと考えています。

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