2016年「クリスマスコンサート」プログラムノート

12月は非公開のクリスマスコンサートに出演させていただく予定です!

「アヴェ・マリア」ジュリオ・カッチーニ

2009年霧島国際音楽祭のひとつ、ザビエル教会コンサートで、ソプラノ歌手鈴木慶江さんの歌うこの曲を聴いたときに「私も歌が歌いたい!」そう思ったことが、私が歌を始めたきっかけです。

教会の厳かな空気の中、透き通った芯のある声。祈りの歌は天まで届くようで涙が自然と溢れてきました。今でもあの日のことを鮮明に覚えています。

その後、母校である鹿児島国際大学が行っている生涯学習で声楽を学び、歌の世界にどんどん引き込まれていきました。音大時代に声楽も勉強してはいたのですが、はやり社会人になってから再度学ぶことは興味深く、毎週のレッスンがとても楽しみでした。

初めてのコンサートではもちろん、この曲を歌いました。私は声楽を学ぶ前までは作曲専攻でしたので、どちらかというと裏方。美しいドレスを着てスポットライトを浴びることは、初めての華やかな世界でした。そして自分の声を使って直接、お客様に音楽を届けることができることに、作曲とは異なる新しい喜びを感じました。

カッチーニのアヴェ・マリアは「三大アベマリアのひとつ」として有名ですが、近年、旧ソ連の作曲家ウラディーミル・ヴァヴィロフによって作曲されたことが確定されています。歌詞は「アベ・マリア」この言葉を繰り返すだけのシンプルなものです。

「ローザ」フランチェスコ・パオロ・トスティ

トスティはイタリアの作曲家兼音楽教師で300を超える歌曲を作曲しています。

この曲は、叶わぬ恋の歌。

優雅でドラマティックな旋律に情熱的な歌詞。

盛り上がりの「愛よ行ってしまわないで!」の部分は、私がいちばん好きなところです。感情の高まりが旋律にうまく表現されており、歌っていると心地よく曲の世界に連れて行ってくれます。

ロサンゼルスで受けた、リチャード先生のレッスンで

「若くても歌えない曲がある。年齢を重ねて酸いも甘いも経験したからこそ、歌える曲がある」そんな内容のことを言われたことを思い出します。

今の私はあの時より大人になれたでしょうか。

年を取り、経験が増えていくことで表現の幅が広がります。音楽と一緒に成長できるのも、歌い手の楽しみのひとつです。

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